食わず嫌い記録

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装苑を片手に過ごす三度目の夏がやってきた。

2017年夏、初めて特集してもらって以来恒例となりつつある雑誌・装苑の衣装特集。

NEWSのコンサート衣装はメンバーである増田貴久がプロデュースしていることから、増田さん本人の着用グラビアとインタビュー、全メンバーの全パターンを掲載してくれる、とってもありがたい企画。

昨年春に装苑での連載MFBB*1が始まってからは、こちらのコーナーで特集を組んでもらっているが、今年もやっぱりすごかった。

今ツアーWORLDISTAの衣装といえば、衣装そのものへの愛着や印象もあるが、増田さんがツアー初期からよく口にしていた「今回の衣装のテーマ」というワードが引っかかっている。

悲しいかな、私は増田さんの思考を先読みするのが大の苦手だ。彼の発言や行動を見て、認めたり褒めたりするのはかなり得意なのだけど、増田さんの頭の中は私の何千倍もの規模で展開されているので絶対に先読みはできない。これはもう何年も前から諦めているので、彼の口から出てきた情報がすべて。あとは私の憶測で情報を補うというのが私と増田さんのスタイルなのだ。

なので、今回の衣装に明確なテーマがあることを明言していたけど、ツアー中にどこかで何かの拍子で口にするような人ではないし、ツアー終了後にラジオあたりでポロっと言えば良いほう。テーマを明かさずに終わる可能性も十分にあるな。ととにかく自分を期待させずにいた。予想を口にするにはあまりにも野暮だと思ったしどうせ当たらない。知らん顔して過ごして、万が一公式の情報が出たときは大いに盛り上がろうと心に決めていた。ここまで思いつめる時点で相当知りたがっているのがバレバレなのだけど。

そして装苑発売前、公式HPに掲載された一文を見てきょとんとしてしまう。

MFBB Vol.09 「NEWS LIVE TOUR 2019 WORLDISTA」
増田貴久が手がけた「WORLDISTA」ツアーの衣装

今月号のMFBBは、衣装特集内での拡大版! 
ファッション好きが高じた増田貴久さんが手がけているNEWSのツアー衣装ですが、5月に終えたばかりの「NEWS LIVE TOUR 2019 WORLDISTA」の衣装を実際に着用していただき撮影しました。アーティストのKOUさんによる、増田さん撮り下ろし写真のアートワークも要チェックです。そして今回も、すべての衣装を、増田さん本人の解説つきでご紹介!装苑で初めて語ってくれた、今回のツアー衣装のコンセプトとは? どうぞお楽しみに! 

 そうか、装苑で語るつもりだったのか…連載…というか自分の持ちうる仕事すべてに愛を持って接する人だもん、大切な大切なMFBBになら話せるってことね…ほんとにこの人は…何度惚れさせてくれるつもりなんだろうか。

発売前からこんな具合でうっとりしていた。

 

さて、いざ装苑を手に取る日がやってきた。

一年のうちに発売される大量の雑誌の中でも、装苑の衣装特集とマスタイリングの周年ブックに相当な熱量を注いでいるので早売りを踏むなんてヘマはもうしない。今年もまっさらな状態で一ページ目と向き合うことに成功した。

 

赤い馬(グラビア)

これはお呼ばれした特集ではなく、あくまでも連載での衣装特集だということを証明するかのごとく、右上に鎮座するMFBBのロゴ。それだけでもこみあげてくるものがある。

このページを開いてまず目に飛び込んできた情報は赤い馬だった。

赤い馬!!!!!??????あれは馬の尻尾だったのか…

WORLDISTAの数々の衣装の中で、私が最も愛した衣装はこの衣装だった。

インビジブルダンジョン歌唱中、足元で揺れる毛束は長い髪を束ねたように見える瞬間があったし、I・ZA・NA・I・ZU・KI の時はまるで狐の尻尾だ!とたいそう盛り上がった。のに。

まさか馬だったとは…だって演出に馬要素あったか…??これだから増田さんの頭の中はわからん。わからんからこそこんな風に答え合わせする夏を楽しみに生きているのだ。増田さんが馬だっていうなら馬なんだろ、了解した。これは赤い馬でした。

赤・尻尾・サテンの三大要素が頭にこびりついていたので、

メンズ服ではあまり使われない風合いのあるツイードを用いて、細部にサテンやチェーンをついけています。

 といわれるまでツイードにはまるで気づけていなかった。なるほど確かにレディースのお上品なコートに使われていそうなツイードだ…

赤い馬、もちろん尻尾が私の心をわしづかみにしていたけど、何の気なしに足元を見て「ひっ!」という声が出た。パンツの足元を縦に走るファスナー。しかも内側に。

きっとこの写真を見なければ気づかなかったと思う。アリーナ最前席だったとしても、きっとお顔ばかり見てしまって気づけなかった。誰も気づかないような細部にまでこだわってファスナーをつけるのが増田貴久というアイドルなのだ。ほんとうにこの人の洋服への情熱は計り知れない。気づいてほしくて付けたんじゃなくて、付けたほうがバランスがいいとかそんなところだろう。

しかし、このパンツは裾に行くほど細くなるデザインだし、この衣装を着て足元をずぶぬれにさせる演出の後で早着替えしなければならないセトリだったので、濡れて張り付いたサテンのパンツを早く脱ぐためという実用的な理由も大いにあると思うのだけど。そのためか、その直後にソロがあった増田さんとその次にソロの順番が来る小山さんの足元にしかファスナーは確認できない。

 

ヒョウ柄(グラビア)

通称増田レギンスガチャ。入れなかった公演の増田さんソロ衣装の袖の有無とヒョウ柄衣装のレギンスの有無を確認しあうのがツアー中のお約束だった思い出。結局法則性は見いだせなかったのでお洗濯のターンか増田さんの気分次第だったのでは?ということで幕を閉じた。

ヒョウ柄衣装といえばwonder→SPIRITのフード芸。FIGHTERS.COMからフードかぶりっぱなしでwonderまで踊り続け、SPIRIT前の一瞬でフードを脱ぐんだけど、そこからの表情がまあーーーーー素晴らしかったな…分厚いガウン羽織ってくれてありがとうって思ってた。

 

黒い鳥(グラビア)

このページで私はまたしても変な声を出すことになる。

青い羽根が生えたかわいい鳥のイラストの中で黒いレースのガウンを揺らす増田さんのお写真。

そして衝撃のト書き

幾重にもなるレースで描いた羽根。黒い鳥を模したマント 

 マジか。これ鳥だったんだ…????私含め、このガウンは通称黒レースの呼び名で通っている。この数年しか見ていないが、増田さんがレースを使うイメージがあまりなかった。だから、黒レースを羽織る直前、パンツとTシャツの時点で、パンツにレースがついているのを見つけたとき、「レースか…珍しいというか、あんまりイメージなかったな…」と思いながら見ていたのだけど、ガウンを羽織った瞬間に納得した。遠目から見てもわかるくらい、いろんな種類のレースを何重にも重ねてNEWSっぽさを演出し、増田さんお得意のパッチワーク風に仕上げている。そして増田衣装の真骨頂、布が舞う作り。黒レースのファンはとても多いし、今年のMUSIC DAYでこれが採用されたのは、ある意味必然だったな、と当日の放送を見て納得せざるを得なかった。

たくさんの煌びやかな衣装を身にまとったキラキラジャニーズアイドルたちの中に、珍しくおとなしい色使いで紛れ込むNEWS。

だけど重ねたレースがどのグループよりもドレッシーだったし、あえて黒をメインにしたスパンコールの煌きは際立つものがあった。

着やすい衣装ではなかったけど、動くたびに風を感じて表情が変わるのが魅力ですね。 

 とあるように、アリトロのてすりにレースが引っかかって上手に着れないテゴちゃんをメインステージでお手伝いしながら着せてあげる増田さんを見れた、大変大変ありがたい一着でもある。あれはいいテゴマスだった。

 

動物柄(グラビア)

通称くまちゃん。くまちゃん衣装で通じるので困ることはなかったけど、実はくまちゃん以外にもたくさんの動物がプリントされている。

初見のインパクトがめちゃくちゃ強いのにバラードが続くという情報量の多さが病みつきになる不思議なブロック。だけどそれがどことなくNEWSっぽくてすごく安心する。

この生地をオーダーできるのって増田さんくらいでは?と本気で思うし、共通項は動物だけで、四人の衣装がバラバラだったのが見てるだけで楽しかった。

ある意味一番NEWSらしい衣装だったなあとみて納得した。かなり耐性がついているのでこの程度じゃ驚かない。素直に「かわいい!!!!!」と受け入れることができるくらいには増田さんの作る衣装を愛してる。

 

インタビュー

前もって断っておきたいのだけど、たぶんここからは過去最高の熱量で増田さんの衣装の話をする。驚きと感動と納得が一気に押し寄せてきて、途中で読めなくなってしまうくらい、決して長くはないこのインタビューからいろんなものを受け取れたので。

そもそもWORLDISTAとは

 

NEWSとの旅は、場所から端末へ。
今回は、あるひとつの端末(アイギア)から物語が始まります。

最高の音楽体験と、圧巻のエンターテイメントがここにある。
目をとじて、想像してみよう。
きっと、世界は、想像を超える。

ようこそ、WORLDISTAの世界へ。
そこは今までになかった仮想空間。
ワールディスタのアイギアを着用するだけで、本当にその世界に入ったような感覚になります。

そこには季節があって季節がない。
毎日がクリスマスになったり、今すぐ好きな人に逢いに行くこともできる。
車で空を飛んだり、船で道を走ったり。
世界規模のレースをしたり、空想の森でゆったりしたり。
楽しみ方はプレーヤー次第。
参加したみんなひとりひとりの発想を、一つの空間で共有する。

作ったのは、日本のネオエレクトロニックワンダーステイト社。
くしくも今回は、バージョン10の発売日。

N.E.W.Sの新感覚体験。
そこは、想像を超える場所。
きっと最高の体験になるでしょう。 

 アイギアを装着すればどんな所へも、どんな時間にも飛んでいける、会いたい人にも会える。

そして私たちはWORLDISTAの世界でWORLDISTAカップに出場した、というのが自分なりの解釈である。

なのでアイギアさえあればなんだってできる。NEVERLANDの世界に行ったり、EPCOTIAのように宇宙を旅したり。

で、増田さんの考えるWORLDISTAにいたのは、たくさんの動物だったとのこと。勘のいい人なら、赤い馬、ヒョウ柄、黒い鳥、動物、が並んだ時点で気づくんだろうな。私は鈍いからこの一文を見て「ひゃ!?」って言ってしまったのだけど。

今回の衣装のテーマは動物だったとのこと。なるほど、確かにここまでのグラビアの情報をまとめると動物だ…それもWORLDISTAに動物がいるという着想から生まれたのか…この無限に広がる彼の脳内に惚れすぎて嫌気すらさしてくる…この人の発想の柔軟性、そこからデザインを広げていくセンス、完成したもののクオリティ、あくまでもテーマであって、動物を全面に押し出すわけではないと明言するだけのことはあるなと感じさせる細やかにちりばめられた動物につながるヒントたち…。

別に増田さんはテーマを隠してたわけでもなければ、こちらになぞなぞを投げかけたわけでもなく、ただ彼の思うWORLDISTAを表現しただけなのだろうけど、彼の衣装を愛するものにしてみれば、こんなにもきれいに点と点が結ばれると気持ちがいいし、それをつなげてくれているのが他でもない衣装の作者であり自担なんだからこんなにありがたいことってあるかな…って思う。

赤い馬担なのでここから怒涛の情報量で赤い馬の話がされて本当にうれしかった。

尻尾の長さや毛色が違うのは何度か見て確認していたし、このあとでゆっくり触れるつもりだけど、

メンバーの髪の色に合わせてみたり、雰囲気に合わせて一番なじむように決めました。 

 の一文でどれだけ私が沸いたことか…毛色と毛の長さ(特にテゴちゃん)があまりにもドンピシャすぎるのも、この衣装が好きな理由だったから。

増田さんは知ってか知らずか「私の思うNEWSのメンバーに似合う色」を正確に突いてくる。彼くらいのセンス・情報量があればぱっと見ただけでピンと来るのかもしれないけど、この毛色はあまりにも私の思うNEWSに似合う色と一致させていて、四人の毛色が違うとわかったときはすごく感動した。

なので増田さんの口から増田さんが色を決めたと言ってもらえてすごくうれしい。そこは本当に知りたかった部分なので。

成人男性の肩から床につくくらいの毛束を作る大変さは、ド素人の私でも安易に想像がつく。案の定たくさんの試作品を作ったとのこと。マジでお疲れ様です。そうやって時間をかけて作ってくれたのわかってるから、私もあの毛束に惜しみない愛情を注げるんだよ。増田さんも気に入ってるって教えてくれてうれしい。一緒だね。

 

この話は触れるかどうか迷ったけど…本人が言ったので解禁していいかな。

床につくくらい長い尻尾がついた状態で、インビジブルダンジョンのすり足で下がっていくダンス。踏んでもおかしくないな…とは思っていたけど、まさか増田さんが踏むとは思ってなくて、かなり驚いた。

当日は現場にいたからどんなレポが回ったのか把握してないし、どうせ話は誇張して伝わっていくだろうから、必要とされるまでは黙ってようねって当日一緒にいた増田担と決めてた。装苑が発売されてから、また大きくなってちょっとねじれた情報を見かけたので私の見たものを話したい。

インビジブルダンジョン終盤、メインステージでJr.と一緒に踊って腰を低くしたとき、バランスを崩して手をついたので、マイクが床にぶつかる「ゴン」という音を拾った。その後も歌っていたのでマイクが折れたのがどの程度かわからないけど、隣にいた友人に「増田さん転んだ!」と言っても「え?うそ?」といった具合だったので、あの場にいた全員が気づくようなレベルではないと思う。友人は自担を見ていたので全体を見ていたわけではないのだけど。

その後のI・ZA・NA・I・ZU・KI で後姿を見たとき、尻尾の付け根(Dカンのあたり)がひっぱられたように後ろの襟が下がっていたのを見つけてやっと尻尾を踏んだんだなって気づく程度。

これに関して

尻尾があることで体の使い方が変わったり、尻尾を動かしたり、みんなのパフォーマンスの仕方が変化していたんです。この衣装から、いつもと違うパフォーマンスが生まれたのうれしいですね。   

と言及している。「尻尾を踏んで危ないから短くしよう」じゃなくて、尻尾を踏まないようにした結果違うものを引き出せてよかったって思えるところに、この人のプロ意識とこだわりを感じる。ほかのメンバーも尻尾で遊んでくれたりして私をたいそう喜ばせてくれたので、四人の総意でそうなったと信じたい!

動物柄はアーティストのKOUさん作とのこと。お二人は普段から交流がありそうな雰囲気だし、増田さんもオリジナルの生地を使って衣装を作ってみたかったと言っているし、これは今後も何かしらでお二人の作品が見れたりするのかなと期待してしまう。

生地から衣装を作る実績を得た増田さんが、Storyでどんな衣装を見せてくれるのか、今から楽しみで仕方ない。

 

衣装詳細

  • 2.パンダ

インタビューで「テーマは動物」と衝撃的事実を発表され、一度本を閉じ、大きく息を吐いてから気づく。「じゃあ序盤のつなぎ衣装はなんだったんんだ?」インタビューを読み切らないうちにそっと隣のページに目をやって、さらに大きく息を吐く。ああ、そーゆーことか……

DEAD ENDの「空飛ぶ車」から着想したレーシングスーツをWORLDISTAのテーマの動物に落とし込むとパンダが出来上がる……

文字だけじゃ意味がわからないな、でも見たら即納得できる。これは紛れもなくパンダだ。

メンバーカラーでも何でもない、何の由来かわからない配色だな。と思っていたメンバーごとに一色ずつ振り分けられたぱかっとした色。肩から袖口、ひざ下だけがカラーリングされていて増田さん曰く配色がパンダ

どうしたらそんな柔軟でかわいらしい発想になるのか教えてほしい…簡単そうな連想ゲームのようだけど、あまりにもレーシングスーツとして完成しているし、まさかパンダをテーマにした衣装が出てくるだなんて思わない。少なくとも春の私は一ミリも思っていなかった。じゃあ私はパンダのNEWSくんたちとUR歌ってたの???なにそれかわいいやら愛おしいやら。手持ちのポジティブであたたかい感情全部使っても足りないくらい、何とも言えない気持ち。天才だよ増田さん。

たくさんつけられたワッペンの中に「JE」や「Neo Electronic Wonder State Inc.」「WORLDISTA」のロゴたち。

増田さんからの日頃の感謝や、作品への愛が垣間見える気がして、そんなところが好きだなあってワッペン越しに自担愛を深めていた。

いやしかし配色がパンダって天才すぎるな。何度でも言おう。後世に語り継ぎたい増田イズムだ。

 

  • 3.赤い馬

この写真が手元に来る日をずっと待ってた。初めて見たあの日から、早く装苑で特集して…と願っていたこの衣装。とんでもない名前がついて手元にやってきた。

形、丈、サイズ感、生地の質感と厚さで似合い方も変わります。だから、それを選ぶのも楽しいし、時間をかけている部分ですね。

ステージの上でみんなを見た時に似合ってるな~って

そして数か月後にその写真をこねくり回してあれこれ好き勝手言わせていただくのが私の仕事ですね。

形、丈、サイズ感、生地の質感。四人それぞれ似合う生地の厚さすら違うのに、四人ともばっちり似合ってるし、統一感がある。メンバーに似合うものを熟知し、洋服への敬意を忘れない増田さんじゃないと絶対に完成しないNEWSらしいNEWSの衣装。

今回は赤い馬と動物柄にそれが顕著に出てる。

最近だとQUARTETTEでスーツ衣装を作ったのが最後だろうか。かっちりとしたフォーマルな雰囲気だけど、ラグジュアリーでおしゃれ。このおしゃれな感じは深い赤がいい仕事をしていると感じる。

一口にスーツといっても、ジャケットとパンツの素材、中に着たシャツの色と尻尾がついていること以外はすべて違うデザイン。

てごちゃんは異素材の襟がキュートさがあるジャケット。ポケットの入り口も同じ素材かな?

ベースのツイードの色よりもワントーン上がったピンクの襟を縁取るレザーのような黒いラインが、テゴちゃんの力強さとリンクしてよく似合ってた。ずっと白いフリンジだと思っていたフリンジがチェーンだったことに今更気付いた。布製のものではなくて金属を装飾に取り入れることによって生まれる力強さや男らしさ。本当にこの人にはかなわない。

左腕にのみチェーンがついていて、テゴちゃんが手を伸ばすとゆらゆらゆれてとってもきれい。両腕じゃなく、マイクを持たない左手に揺れる装飾をつけたことによって、腕を伸ばした時の揺れが際立つ。チェーンと言っても、チェーンの終わりも生地にくっついているので正確にはフープ状になっている。テゴちゃんの装飾は体からあまり離さずコンパクトにまとめる増田さん。さすがです。

テゴちゃんが金髪だったら本当にポニーテールみたいに見えてたんだろうなって色の尻尾は、メンバー内で唯一床につかない長さで、テゴちゃんのかわいさを加速させている。毛先が動きやすいので、Digital Loveでぶんぶん横に揺れるのがとってもキュートだった。

増田さんは黒いシャツに黒いネクタイ、そしてジャケットはノーカラー。ツイード素材でノーカラーだと女の子のジャケットみたいに聞こえるけど、赤の深みと胸ポケット含む三か所につけられたポケットのレザーが男らしい。増田さんの厚みと肩幅さえあればおおよその服は男性的になるのではないだろうかとも思うが、横一直線につけられたポケットのレザーは増田さんの男らしさを助長している。

明るすぎず暗すぎずのブラウン尻尾。増田さんがこの髪色にしたらどうなるか知ってますか?ただの爆イケお兄さんになるんですよ。マジで似合う。

なので普段は不本意に私が恋に落ちすぎないよう赤とかピンクとか黄色のヘアカラーでいてくれるんですけど、長野オーラス黒髪バージョンでこの衣装見た時はめまいがしました。絶対暑さのせいだけではなかった。はず。

シゲのジャケットが一番フォーマル。燕尾服っぽく襟も小ぶり。ポケットのレザーが増田さんとは違って斜めになっていることでフォーマル感が増している気がする。まっすぐ横向きだとカジュアルに見える。シゲに長いもの着せたい増田さんと、フォーマルで長いもの着てるシゲにめっぽう弱い私。ほんと信頼できる自担。

一見黒く見えるシゲの尻尾。増田さんのグラビアから察するに、何色かブラウンも混ざっているのだろうけど、シゲほど黒髪の似合う人はNEWSにいないのでこれも納得の配色。毛量についての言及はさすがになかったけど、身長による毛の長さを抜きにして形だけ見ると増田→加藤→小山→手越の順に毛束が変わっているように見える。

そして一番装飾もりもりの慶ちゃん。これはほんとうに私の妄想だけど、慶ちゃんがツアー中イケイケな髪色ですごしたのもこの衣装が信じられないくらい似合った要因の一つだと思う。左腕にループ状のチェーンをつけたテゴちゃんに対して、前から見るとシンプルさすら感じるシゲマス。慶ちゃんはテゴちゃんと同じような襟をもう一色追加してツートンに。さらにループチェーンは肩から背中へと這わせ、ベストまで着せちゃうてんこもりスタイル。なのにぜんっぜんくどくなかった。小山さんがその丈のジャケット着るの新鮮だなって思ったけど、中のシャツが長いので結果的にバランスがいい。慶ちゃんの体形的に肩回り盛っても大丈夫なんだろうな…むしろバランス取れてるし、動きのある装飾が顔回りに着て一番映えるのは小山さんだと思うのでほんとに天才なんだと思う。小山さんに揺れるピアスが似合う原理と同じだと思ってる。

やっぱり知れば知るほど赤い馬衣装が大好きなので、一度くらいテレビで着てほしいな。私がNEWS担じゃなかったとしても、この衣装を好きになったと思うから。

 

  • 4.動物柄

初めて見た時、「かっ!かわいい~!!!!けどちょっと時間くれ!!!??????」と思ったほど情報量の多い動物柄。

増田さんがすごい柄の何かを着てても別にもう驚かないのだけど、めちゃくちゃかわいいクマちゃんのジャケットを着ていたらそりゃ全身くまなく見るために双眼鏡を覗く。クマだけに。クマの柄が一番大きいので、私の頭の中に残るのはいつも増田さんのジャケットとシゲの袖、そしてパンツ(とピンクの靴下)なのだけど、よくよく見たらてごちゃんもかわいいパンツ履いてた…この柄を「猫でしょ?」と言ってたてごちゃん。猫はいないけどメンバーで一番動物から離れた柄のガウン。一番細かい柄をテゴちゃんにあてがう増田さん。正義。パンツの裾をすぼめたのも正義。増田さんのパンツは裾がきりっぱなし仕様になってるのがすごくかわいかった。厚みのありそうな生地でタック入れて重そうなパンツ履いてる自担、癖すぎる。増田さんの思い描いていたWORLDISTAの動物たちはこんなテイストのかわいらしい動物だったのかなと推測する。それともいろんなタッチの動物がいたのかな?ポップなクマちゃんもスタイリッシュな馬もいた?ほんと、増田さんの頭がWORLDISTAだね。

シゲのデザインが一番カジュアルだし振り切ってポップだったのに違和感なく受け入れられたのは、袖のくまちゃんが規則的に並んでいたからなのかな。

ベストの身頃の柄の細かさ、ベストの切り替えで無地が顔回りにあったこと、袖のくまちゃんが規則的にならんでいたこと。これはカギになってる気がするなあ。

増田さんはこの衣装のコメントにこう残している。

柄のインパクトが強いので、アイテムとして、服の形は逆にシンプルでカジュアルなものにしています。服の着方としては本当に私服的な感じ。アイテムはメンバーそれぞれのイメージに近いものを組み合わせてスタイリングしています。

シンプルでカジュアル。なるほど。ではこれを踏まえて小山さんの衣装を見てみよう。

確かにカジュアルだ。白くて丈の長いロンTに、小山さんの美しい足をより魅力的に美しく包み込むスキニー。膝上にはアクセントでこの衣装の生地を巻いてある。

そしてひときわ目を引くマント。増田さんのパンツの一部とテゴちゃんのパンツとリンクする生地にテゴちゃんのガウン生地をパッチワークしたこのマントを、私は生涯語り継ごうと思う。

ほんとうにかわいかった。テゴマスシゲだけ見るととてもポップでキュート。そしてどことなくNEWSだなあと安心させてくれるような賑やかさがあるのだが、無地で余白を多めに見せる作りの小山さんのパターンが組み込まれることで一気にNEWSの年相応のかっこよさが上乗せされる。この化学反応はなんとも言えない快感を伴っている。

この衣装は10周年のポンポン衣装と色味が似ている。ただあの時はみんなベストを着ていて、四人とも一番最初に目につくのはベストだったと思う。

しかし、5年の時を経て、たくさんの経験を積んだ増田さんのこの世のものとは思えないほど美しい引き算。そしてそれを小山さんの体に託すセンス。WORLDISTA期の小山さんの爆イケヘアカラーと一番マッチした衣装だったと振り返る。装飾で足し算したり、余白たっぷりの小山さんの肩にそっとマントをかけたり。増田さんはよく小山さんのスタイルを褒めているし、私服の好みも似ているらしいので、作ってて相当楽しかっただろうなと思う。

 

  • 5.黒い鳥

黒い鳥説明文の一番最後。ふふって笑いながらかわいい顔して言ったんだろうなって想像できる一言が掲載されている。

フードにくちばしがついてるの!見えないと思うけど(笑)、こだわりポイントです

この人のこだわり、職人気質、NEWSをかっこよく見せるという責任感、あの体からは想像できないほどかわいらしい思考回路、遊び心、妥協しない精神…

たった二行のこの文章が頭に入ってきたとたん、増田さんの好きなところがどばどば出てきて、この人を応援できて嬉しいと思った。そして改めて、こんなところが大好きなんだよ…って気持ちをかみしめた。

慌ててグラビアページに戻り、フードを確認すると、確かにフードに黒い皮のような素材のものがついている…これだ…きっとこれがくちばしだ…

このくちばしに気付いたお客さんは何人いたのだろう。くちばしのハードルを下げ、フードについていたレザーが見えていたかと質問し、ピンとくる人間はいるだろうか…。

恐らくいない。そして、こんなにもこの一文に胸打たれる読者がいても、わざわざ「これがくちばしです!」とご説明してくれる増田さんもいない。これが増田担の醍醐味。この「増田貴久から与えられる情報の余白」とうまく付き合うことができれば、こんなにも楽しい雑誌はほかにはないだろう。2年前から何度も何度も言っているが、増田さんの作るものに敬意を払えば、いろんなことを想像して楽しめる。黒い鳥はその最たる衣装だった。

グラビアでも触れたが、ガウンを羽織る前のTシャツ+パンツスタイルの時点で黒レースは始まっている。

増田さんのパンツは特にレースが多くあしらわれていてすぐに目に入る。たくさんのレースを少しづつ重ねる手法なのですごく増田さんぽい。

ぽいで言えばテゴちゃん。現場では気づけなかったけど、ひざ下に模様のレース。ゴシック調の大きなレースはいかにも「手越」。

思い切りシンプルに振ったシゲに対し、赤をおおくあしらった小山さん。

ガウンもかなりいろんな種類のレースが使われていると思うのだけど、レースの種類でバランスや重心が変わるのがすごく面白い。

目の細かいレースをベースに、肩や背中から赤や白のレースを垂らし、重心を上げたてごちゃんに対して、シゲは目の大きいレースを腰から下に重点的に使い、ポイントとなる赤も下に向けて多く取ったのだろうか、ガウンそのものがややAラインになっている。

柔らかく繊細な印象のレースの裾がふんわり舞うてごちゃんと、目が大きいぶん少しはりのあるレースでパリッとした印象を残したシゲの衣装。

この対比がすごくおもしろい。増田さんは、シゲの裾に使われたのと同じであろう目の大きなレースを全体に使ったり、恐らくメンバー内で一番種類の多いレースを背中に背負っている。対する小山さんは背中を一直線に走る赤。黒ベースだと赤が映えて美しい。黒×赤だと重厚的な印象になったのだろうけど、レースとたくさん重ねられた生地が舞う様が軽やかな印象を植え付けていく。

ガウン自体のパターンがテゴシゲ・コヤマスでリンクしているように見えるのでこの対比を考えたが、ベース(目を引くという意味で)は繊細なレースのコヤテゴ・目の大きいレースのシゲマスでリンクしている印象。

あとはなんといってもタッセル。レースとスパンコールでキラキラした印象を与えつつも、びっしりと整列したタッセルがまたゴシックな印象を与えてくれる。

現場では印象的なことしか覚えていなくて、つい赤い馬の話をしてしまいがちなのだけど、こんなふうにまじまじと見せてもらえるとこの衣装の奥深さが美しい…

 

NEWSはメンバー全員が顔面の美しさでヒョウ柄を着こなせるグループだといつも思っている。NEWS×ヒョウ柄といえば真っ先に思い浮かぶのはWHITEのヒョウ柄ジャケットだろう。スタッズとファーでゴリゴリ盛って、当時NEWS担ではなかった私のハートすら射止めたかわいい衣装。

大人になったNEWSが着るヒョウ柄衣装はふわふわファー素材で、増田さんが大好きなパッチワーク&ワッペンが盛り盛り。

こんな風に、人の記憶に残るステージ衣装を作り続けてくれるからこそ、過去の衣装と比べて変わったことや増田さんの好み、ブームなんかもなんとなく透けて見えたりする。作り続けてくれることの恩恵は、この衣装たちが役目を終えて、ゆっくり休んでいても止まらない。そうやって考えてみると、今回の動物柄の小山さんの引き算は過去類を見ないほどの引き算なのではないだろうか。

同じステージに立つ同じグループとして同じ衣装を着る。という概念は増田さんはおろか、もはや私にすらなく、一つ一つが独立してかわいい・美しい。それでいて四人が並んだ時、しっかりとNEWSに見える。これが増田さんの作るNEWSの衣装。

このヒョウ柄衣装のように、全員が同じものを着ていても、全員着丈がバラバラで、一番体形が美しく見える丈に設定されているのは、やはり増田さんの積み重ねてきた経験と観察眼のたまものなのだろう。

やっぱり私は増田さんの作る愛情あふれた衣装が好きで、それをまとってステージに立つ彼のことが大好きで大好きでたまらない。

 

まさかトップガン衣装まで載せてくれるなんて思ってなかったので相当うれしい誤算だった。

この衣装を作る前に、ライブで曲を初披露した時に着ていたのが「黒い鳥」の衣装だったので、その黒、白、赤を使って色のバランスを変えて作りました

とあるように、黒い鳥とトップガンはリンクしている。

メンバー自身が衣装を手掛けていること、そしてツアー中に新曲発表の場があったこと。いろんなことが重なって生まれた愛おしい衣装。

この衣装を着て音楽番組にたくさん出る姿が誇らしくてたまらなかった。

 

これからもできるだけ…増田さんが作りたいなって思う限りは、衣装を作り続けてほしいと思う。

何が起きたって私は増田さんを裏切らないし、増田さんが生み出したものを愛する自信がある。現に私だっていろんなもの乗り越えてこのブログを書くに至ってるし。NEWSを、NEWSのステージをこんな風に彩ることができるのは、世界で増田さんしかいない。いつも素敵な衣装を見せてくれてありがとう。とっても楽しいし、きれいだよ。そしてこれを生み出した増田さんを誇りに思うし、大好きだよ。

これからも目と耳両方で私を楽しませてね。

初めて増田さんの作った衣装を特集してもらった年から、衣装特集の回は必ず複数買いしていて、ブログを書くために眺めるファイリング用と手を付けずに本のまま取っておく保管用がある。保管用の装苑も三冊になった。これは私の宝物。

これからも毎年一冊ずつ、保管用の装苑が増えていきますように。 

装苑 2019年 9月号 (雑誌)

装苑 2019年 9月号 (雑誌)

 

 

*1:増田貴久のファッションバカ万歳!